高齢になると若い時に比べ食欲がなくなったり、脳の機能低下により食事に集中できなくなって周りにいる人はどうしたら良いか考えてしまいますよね。
ご飯が目の前にあるのに全然手を付けてくれない。
食べ物がうまく口の中に入れられずに、こぼしてしまう。
ご飯を集中して食べてくれない。(食事以外が気になりだしてしまう。)
そのような高齢者に普段よりもたくさん食べてもらえたり、手を止めずにご飯を食べてもらえるように食べる前の準備や食べやすい環境について考えていきます。
ごちそうさま。
おじいちゃん、まだ全然食べてないじゃん
今日はもういいよ。明日食べる。
最近、食べてないじゃん。元気でないよ。
先行期とは、ご飯を認識して口まで運ぶこと。
私たちは、ご飯を口に運ぶ時は食べ物と認識して口の中に入れます。
食べ物ではないものは食べようとは思いません。しかし食べ物だと思って乾電池を口に入れたり、雑巾を口に入れたりしないです。
ご飯を食べることは、噛むことや、飲み込むだけではなく、ご飯と認識していることも含まれます。
子どもの頃、ゲームで目を閉じて何を食べたか経験した人はいるでしょうか。
何を食べさせられたか分からないと口に入れるだけでも恐怖心があると思います。
食べれるものや食べられないものを認識するだけでなく、この食べ物は軟らかい、硬い、噛まなくても食べられるもの、飲むものと認識し無意識に食べ物の質にあった食べ方を私たちはしています。
食べ物をみることは噛むことや飲み込むことと同じように大切なことです。
硬いと思ったものが軟らかい食べ物であれば必要以上に噛む力が出てしまい歯や顎を痛めてしまったり、噛む必要性のある食べ物を、水分だと思って飲んでしまったら、窒息してしまいます。
もう一つ大事なことは、食べ物を認識しても口まで運べなかったら食べれません。
手が動かせないことで食べたいけど食べられない人、食べ物を認識しない・できない人、認知面の影響で食べたくない人も含まれます。
満腹感が継続している、食欲がない。
- 食欲がない原因は、色々ありすぎて人によるとしか言いようがないですが、リハビリで携わっている方をみると運動不足も一原因であります。
- だからと言って、運動させればいいということではないのでご注意を!!!
- ①季節による体調の変化、②飲んでいる薬の影響、③他の要因(メンタル面’飲み込みが弱くなったことで苦しい思いをして食べたくない)等
- 人によってさまざまのため、断定せず専門医に相談するのがいいと思います。
食事中でもボーっとしている、食事に集中できない。
(手が止まってしまう)
ボーっとしちゃう
- 眠くてすぐに目を閉じてしまうのか、普段から体力が落ちたりと色々な影響で目を閉じているのか判断しましょう。
- 私たちも、寝ている最中に口に水を入れられると、びっくりして水を吐き出してしまいます。
- 私たちも、寝ている最中に口に水を入れられると、びっくりして水を吐き出してしまいます。
食欲よりも睡眠欲が勝っている。
- 手っ取り早いのが、一度しっかり寝てもらう。
- 食事時間を変更する。起きた時に次ぎの食事の時間に近づいていたら軽食にしたり、場合によっては本人の食事希望がなければ一食とばしてもいいと思います。
普段から目を閉じている。覚醒が悪い。
- 普段からボーっとしてい。ことが多い人は、生活習慣が大事です。
- 定着した時間に食事を設けることで体内で時間のサイクルがつくことがあります。根気よく続けると食事時間の時に目を覚ましてくれていることがあります。
食事に集中できない
周りに気になって集中できない。
- これは誰でもあると思いますが、テレビが気になって食事が進まない。
- 周りの人の話が気になって口を開けることより耳を傾けてしまう。
- あの子のことを考えると食べ物が喉を通らない(笑)
姿勢が悪く集中できない。
- ご飯を食べる時間は人によって違いますが、15~30分位ではないでしょうか。
コース料理のような家庭は除く(笑) - 若い時も長時間椅子に座っていると
- 腰が疲れることってあると思います。
高齢の方は特に若い時よりも体力や筋力が落ちていることが多く数十分の姿勢でも疲れやすくなる方はいます。 - 背もたれにしっかりと背中をつけて楽な姿勢での食事をしてもらう。
- 背もたれがない状態であれば、テーブルに肘をつけながらご飯をたべてもらう。
- 「行儀が悪いじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、
「食べやすい姿勢=マナーとして正しい」とは限らないのです。 - まずは長時間座っても疲れない姿勢を意識してください。
食べるペースが速い。(ガツガツ食べる)
何でも口に入れてしまう。
- 元々の習慣もありますが、ゆっくり食べるように声を掛けてください。
- 食べる道具を変えてみる。スプーンもカレースプーンの様な大きいものでなくティースプーン程度にしてすくう量が多くならないようにしてみる。(丼のようにかきこんで食べる人には通用しません。)
- なんでも口に入れてしまう人は食べ物以外は手の届くところに行いように気を付けてください。
左側の食べ物(あるいは右側)の食べ物しか食べない。
- もしかしたら脳のご病気で、見えているようで見ていない症状が出る人がいます。
- 左側のものしか手を付けなければ、食べ物を左側に置いてみてください(右側であれば反対に右に置く)。
食べようとしてるんだけど、
食具の使い方がわかっていない・使えない。
- 手が動かしにくくなっているのか、食べ物が見にくくなっているのかによってさまざまです。
箸が持ちにくくなったらスプーンや先割れスプーンに変えたり、細いものが持ちにくくなったら柄の太い物に変えたりと本人が持ちやすいものを試してください。 - 一口で食べる量が多く食べてしまう方はカレーで使用するスプーンから紅茶で使われるようなティースプーンに変えてみるのも良いかもしれません。
食べ物を掴むことができない、口にもっていけない。
- 一番早い解決方法は、介助をする。
しかし、口まで手が届くのであれば、自分自身でがんぱってもらいたい。 - 掴みにくいのであれば、手前にお皿を持っていく。掴みやすいようにまとめておく。
- 手の動きにくさから口にもっていけない人は、口に入れるだけで疲れてしまい食事が進まないため、掴んだり、スプーンですくったりする動きは自分で行い、口までは手伝ってみると本人も、周りの人の片付けも楽になります。
食べる最中、感情の変化がある。
(笑いだしたり・泣き出したり、怒ったり)
- 感情が落ち着くまで待ちましょう。
- 無理に食べさせてしまうと、吐き出したり、丸のみしたりと危険です。
- 静かな場所や気が散らない場所などで食事をするの人によってはいいです。
- 声掛けにも注意してください。
怒っている時に怒り返したり、泣き出したら注意すると余計に感情が高ぶってしまいます。
食べ物を口の中に入るのを嫌がる、
まずくて吐き出してしまう。
- 味覚の変化により普段食べていたものがおいしくなくなって食欲がなくなるかたもいます。
- 原因として、①口の中が汚くなった・乾燥してる ②亜鉛不足 ③高齢による味覚の変化
①口の中が汚くなったことが原因 - 歯磨きやうがいを習慣に行ってください。
若い時は歯を磨かなくても口の中はある程度きれいになっているのは、食事以外でも唾液が口の中をきれいにしてくれていたからです。 - 高齢になると口から出てくる唾液の量が少なくなって若い時よりも汚くなりやすいです。
- 口が乾燥している人も唾液が影響しています。口の中が乾いていると味を感じることが鈍くなってしまいます。唾液は自然の保湿液ですからね。
- ②亜鉛不足
- 味を感じる上で必要な栄養として亜鉛があります。
亜鉛を含む食品は、魚介類、肉類、藻類、野菜類、豆類、種実類があります。
気になる方はお医者さんに相談してみてください。 - ③高齢による味覚の変化
- 高齢になると味を感じる細胞が少なくなてしまいます。
- そのため、味が薄く感じてしまい、元々濃い味を好んでいた方は味を感じずに不味く感じて食欲がなくなってしまいます。
- しかし、高齢であっても甘いものは好んで食べてくれるという話を聞いたことがある方もいると思います。それは甘さを感じる感覚は若い時と変わらないためです。
- 特に塩味が感じにくくなるためしょっぱいご飯を食べていませんか。
高血圧の原因になりますよ!! - 余談ですが、赤ちゃんせんべいを大人になってから食べた方いらっしゃいますか?
実際食べると「薄いなぁ」と感じると思います。赤ちゃんの時はそのくらい薄い味でもしっかりと感じることができるのです。若いっていいですね(笑)
まとめ
- 口に運ばない原因が、食べたくないのか、食べれないのかを区別してみる。
- 食事に集中しやすい環境づくりを心掛けてみる。
- 時に介助して食べることを手伝うことも必要。